波流れる水路に申し訳なさそうに沸く無数の小さな波みたいに 一方的な進行に逆らうことのできない僕は いつもここから飛び出して 逃げ出すことに失敗している。 進む道は用意してあるし それが不満なわけでもない。 でも後戻りすることはできない。 とどまることが許されないのを 小さいうねりの代表として悲鳴を上げて訴えても 頑丈に覆われた道は言葉の拡散を許さないから。 それでも波打つチャンスは与えられている。 誰かの話など意に介すこともない流れの中で やがてはどこかへ浸透し消えていく存在として 今度は深いため息をつき始めた。 =========================== 無断転載を禁じます By GloomyWind 2003/4/6 =========================== |